集会案内

【日曜日】
日曜日の礼拝 毎週 午前10時20分~11時30分
子どもの教会  毎週 午前10時20分~11時30分

● 同時刻に子どもの教会があります。
● 小さなお子様をお連れの方も、お気軽にご参加ください。
● 礼拝後お茶の会があります。お時間のある方はどうぞ。

【水曜日】
聖書と祈りの会 毎週 午前10時~11時30分
晩の祈りの会  第1 午後 7時30分~9時

【金曜日】牧師面談日 毎週金曜日 午後(希望時間を事前にご連絡ください)

2024年2月18日日曜日

【詩編139編】前も後ろも守る神様

【2/18(日)礼拝メッセージより


(信徒さんの庭にあるシュロをわけていただきました)

・・・


詩編139編には、こんな神様のイメージがあります。

「前からも後ろからもわたしを囲み/

 御手をわたしの上に置いていてくださる(詩編139:5)

「神様は、前から後ろからもわたしを囲んでいる」、

みなさんはどんな光景を想像するでしょうか。


わたしは、家にいる猫の姿を思い浮かべます。

寒い夜、猫が布団の中にもぐりこんでくる時があります。

ふかふか冬布団に入り人間の身体にくっついて眠ります。

頭から尻尾まで人間の身体につつまれ、安心しています。

(↑ある日の写真。連れ合いに投稿OKもらってます)

ゴロゴロとのどをならしながら眠る猫たちの姿を見て、

前から後ろから神様に囲まれ、つつまれている感覚とは

こういったイメージではないか」と、思いました。

皆さんは「前からも後ろからも神様に囲まれている」と

言われて、どのような自分の姿を想像するでしょうか。


・・・

また、詩編139編には、こんな神様の姿があります。

・わたしの心の奥底までご存じの神様。

・わたしの立ち振る舞いさえご存じ。

・わたし進む道に通じている神様。

・わたしが言わなくても気持ちを理解してくれる神様。


皆さんはどう思いますか?

わたしは怖いと感じていました。

ちいさい頃は、ささいな隠し事がたくさんありました。

(悪い点数だったので隠したテスト用紙…

こっそり筆箱で飼育したヤモリ…

妹にいじわるをして泣かせてしまったこと…

友達とケンカしたこと…

学習塾をこっそりさぼったこと…等)


「全てを神様に見透かされている」なんて恐ろしい。

「前も後ろも囲まれる?!逃げ場のない状態で、自分の

悪事を問い詰められるの?それの何が嬉しいのだろう」

と不思議でした。


現在、「前も後ろも、あなたをかこんでいる」と聞いて

連想するのは見守りカメラです。

はりま平安教会がある加古川市のホームページをみると、

市内には17475台の見守りカメラ、150台の高性能カメラが

設置されているそうです。

「犯罪防止のため、設置前よりも犯罪件数が4割減少した」

という。でも、監視カメラでしょう?

ずっとカメラで監視されているという事でしょう?

安心だね、嬉しいね、という気持ちにはなれません。


ただ、本を読んでいて「人間は心が疲れ切っている時、人に相談

する力すら残っていないことがある」と知りました。

人に相談する気力も残っていない時、

理解されず的外れな助言を受け止める余裕もない時、

言わなくても気持ちを理解してくれる存在を意識できると

何かが変わるのではないか。

祈りを知る人、神様を信じている人は話せる場所がある。


・・・


もうひとつ、「常に見られていたという幸せ」について、

イメージが近いと感じたものがありました。

皆さんは、近いと感じるでしょうか。

それは、東野圭吾さんの長編小説「白夜行」です。


原作小説だけでなく映画もドラマも非常に面白いです。

(以下、ネタバレがあります)

主人公は、小学五年生の男の子と、女の子。

男の子は、女の子を助けるため自分の父親を殺害します。

女の子も、男の子をかばうために自分の母親を殺します。

事件を起こしたのが小学生だと、警察は誰も気づきません

一人の刑事だけが、二人の怪しさに気づきます。

二人は自分たちが友達だということを隠し、互いに何事も

なく生活して時効まで逃げ切ろうと約束します。

この小説は19年の逃亡生活の話(ドラマは14年)です。



2006年放送されたドラマ版では、罪を犯し殺人罪の時効まで

逃げ切ろうとする少女と少年側の視点で描かれています。

特に少年の独白で進んでいきます。

少年は捜査する刑事から逃げながら、

誰にも気づかれないように生活します。

女の子に疑いが向かないように無関係の人に暴力を振るい、

利用したり、いのちをうばったりします。

初恋相手に頼まれれば少女の二番目の母も手にかけます。


少年は自分の過去を誰にも話せず、嘘を重ねていきます。

何人もの人のいのちを奪います。

誰も信用しないで生きています。

ある日、気を許した相手にふと「小説の話」として自分の

話をする面があります。


「いま書こうとしている小説の主人公は、何をしても気づかれない男の話。子どもの頃に万引きをして、誰にも気づかれなかった。見つからないから自分は賢いとおもうようになる。自分の悪事は誰にも気づかれない、自分は賢いのだと調子に乗って罪を犯し続けていく。ひとのいのちも奪う。だが、自分は幽霊だから誰にも気づいてもらえないと悟る。好きな女性できたのに、気づかれない。好きな女性のために贈り物をしても助けても気づかれない。たった一人、男の存在に気づいた人がいる。幽霊は、その気づいた男を殺すんだよ」と。


その話を聞いた相手は、

「幽霊は気づいた男を殺さないと思う」

「気づいてもらえたら、涙が出るほど嬉しいじゃない?」

と話します。彼はピンと来ていませんでした。

しかし、ふとしたことから、少年は刑事の捜査ノートを見つ

けます。1991年から2005年まで少年が重ね続けた犯罪行為、

偽装した自分の死亡届、一見すると接点が見えないような事

件記事、「裏が取れず」としつつも少年の被害にあった人た

ちからの聞き取り記録、少年の母親の死亡時の状況、母親の

遺書などがびっしり書かれていました。少年は、ノートを握

りしめながら涙を流します。


「あいつ(刑事)が作ったノートは、俺たちの道のり。

その足で追いかけ、その手で書き記し、どれだけの時、

あいつはその目で俺たちを見つめ続けたんだろう。

そのノートは、あいつの血と肉で出来ていた」

と回想し、号泣します。


神様が自分の全てを知り、人生の歩みを見守っている。

そのことが嬉しい。

誰にも理解してもらえないと思っていた時、

自分のことを調べ知っている存在がいることが嬉しい。

そんな感覚が少しわかったように思いました。

神様は、わたしたちが生まれる前からご存じです。

神様は超能力で人間を監視しているのではありません。

機械的に、監視カメラのように見つめてはいません。


涙が出るほどうれしいと感じた、『白夜行』の主人公の

言葉をあてはめるのなら、神様はわたしことを追いかけ、

わたしの道のりを追いかけ、神様自らの手で書き記し、

神様の目で見つめ続けた。


詩編の作者も闇のような経験をしています(139:10~11)


苦しみ、悲しみ、悩みがあったけれども、闇の中でも、

神様はそこにいて、自分を見ていてくださる。

誰にも見せられないような闇の体験、理解されない苦しみ

その場所にも神様はみ言葉の光を照らしてくださいます。

物事が人間の思い通りになるという意味ではありません。

闇の中座り込んでいても、神様がそばにいることで、

また違った視点を得ることができる。自分のもっと深い

思いがしだいに見えてくることがあります。

(詩編にはたびたび、最初と最後で感情が変化します)


新しく与えられた一週間、ぜひ詩編139編の言葉を使って

祈ってみてください。

「前からも後ろからも、わたしを囲む神様」といわれて

どんな光景を考えるでしょうか。

祈りながら想像してください。


自分の思いを表現できる言葉を見つけることができない。

「言葉にしても仕方がない」と感じる時もあります。

しかし、詩編の言葉を祈ることで、自分の思いを祈りに

のせることができます。

「神様が、前からも後ろからも待ってくださっている」

という言葉のイメージを持つことができますように、。


★今週から受難節。神様とどのように向き合うことが

 できるか、イースターまでの期間、考えていくことが

 できますように。



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日本キリスト教団はりま平安教会
牧師 松本あずさ

〒675-0038
兵庫県加古川市加古川町木村112-2
電 話:079-426-8863(FAX兼用)
メール:harimaheianchurch(あっとまーく)yahoo.co.jp

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