12月24日(土) クリスマスイブ燭火讃美礼拝
メッセージ『神の子抱えて新婚旅行』
クリスマスのヨセフとマリアは旅をします。
絵本や漫画では仲よく助け合う姿が描かれます。
泊まる場所がなく馬小屋で出産する事件もありますが
二人は助け合い困難を乗り越えます。
しかし、こんなにうまくいくか？と疑問です。
まず、この絵柄に不満(ｰｰ;)
大抵、ヨセフが先導して歩いています。
「男性の方が頼りがいがある」って思うのでしょうか。
しかし、マリアの方が道に詳しいはずです。
マリアは旅の直前までエリサベトの家にいます。
エリサベトの家もベツレヘムも同じ方向です。
しかも、マリアは妊娠しています。
大きなお腹の女性と一緒に歩くのに、そんなに早く歩いたら不満が出るはずです。
マリア「ちょっと、待って、ゆっくり歩いて！」
と、立ち止まることも多かったはずです。
ヨセフ「ロバに乗る？」
マリア「乗り心地が悪い、揺れていて気持ちが悪い」
マリア「うっ」
ヨセフ「大丈夫？どうしたの？生まれる？！」
マリア「違う！ちょっと苦しいのよ！山道だから！」
マリア「何かあるとすぐ『生まれる？』って言って」
マリア「何回も何回も聞かないでよ！」
ヨセフ「・・・。」
ヨセフがハラハラしながらマリアのそばを歩いている旅を想像します。
皆さんはどんな想像をしますか？
ルカ福音書はマリアとヨセフに旅をさせたかったのです。
マリアもヨセフも、村では気を遣い合い過ごしたでしょう。
しかし旅では本音が出たり、弱さをぶつけあったはずです。
自分たちの無力さ、誰にもわかってもらえない、心に余裕がなければ大切な相手を傷つけてしまうようなことも言ってしまう、なにもできないと思った二人のところに、イエス様は生まれます。
マリアのところへやってきた天使は「神様にできないことはなにひとつない」と言われました。人間の弱さ、辛さをたくさん味わったマリアとヨセフのことを、神様は望まれました。神様の思いを実現される希望の光、イエス様の生まれる場所は、ここでなくてはいけないと、選ばれました。
クリスマスの出来事を通して、わたしたちは何を知ることができるでしょうか。それは、「神様は、わたしたちと一緒に居られる」という希望です。それも社会の中で小さく弱い人たちの中から出てきた言葉です。こんな旅をして、辛いこともいっぱいあったけれど、神様はいる。神様は何もしてくれない、周りの人も分かってくれないと思う時も、やっぱり神様はいるなぁとマリアとヨセフは知りました。
この出来事がクリスマスの希望です。神様がいる、と信じることは、神様によってわたしたちの命、存在があると信じることです。神様によって命が与えられていると信じることは、わたしたちの命や存在に価値があると信じることです。何もできない小さなマリアとヨセフは、旅を通して、そのことを教えてくれます。「すべての命が必要とされている、いらない存在なんてない」、そのことを伝えるためにイエス様は、この地上へこられました。わたしたちがそのままで、神様に受け入れられていることが喜びです。
・・・
ここからは余談。
アドベント中(クリスマスまでの準備期間)、マリアの旅について考えていたので、「マリアとヨセフは、どんな旅をしたのだろう？」と考えていました。
メッセージを考える際、一番読んでいた本は「はじめての妊娠」でした。赤ちゃんが生まれた友達にも連絡。
「もしもーし、赤ちゃん元気？」
友達「元気だよー、どうして？」
「あのさぁ、臨月の時にロバに乗るってどう思う？」
友達「・・・え？」
また、より現実に沿った旅を考えるために、新婚旅行の本も探しました。
「すみません、新婚旅行の本を探しています」
本屋さん「旅行の本ですか？」
「失敗した新婚旅行の話が読みたいです！」
「失敗だけ集めた本ってありますか？」
本屋さん「・・・。」
本屋さんで探してもらいましたがありませんでした。
・・・
クリスマスの出来事は、おとぎ話ではありません。
わたしたちと同じように、人間としてイエス様が
生きておられた、そのことを実感できる想像がしたい！
そう思うと、時々暴走してしまいます。
皆さんも、マリアとヨセフの旅の様子を想像してみてください。良いクリスマスとなりますように♪
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日本キリスト教団はりま平安教会
牧師 松本あずさ
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